沼田ダムと雨竜炭鉱

石炭が主なエネルギー資源であったころ、沼田町には浅野雨竜炭鉱、太刀別炭鉱、昭和炭鉱の3つの炭鉱があり、今はホロピリ湖となっている浅野地区には、最盛期の昭和30年代に約5千人もの人が住んでいました。
明日萌(あしもい)駅としてNHKの連続テレビ小説「すずらん」のロケ地となったJR留萌本線恵比島駅から浅野地区、太刀別炭鉱をへて、その先の昭和炭鉱があった昭和地区までの間には私鉄留萠鉄道が敷かれ、それぞれの炭鉱から採掘された石炭の運搬や、炭鉱の従業員やその家族ら住民たちの足となっていました。
しかし、石炭から石油へのエネルギー転換が進んでいった昭和43(1968)年までに炭鉱がつぎつぎと閉山されるとともに鉄道も廃止となり線路は撤去され、地域は無人口地域となりました。
その後、沼田ダムの建設が進められ、浅野地区の旧市街地は湖の底に沈みましたが、留萠鉄道の線路跡地は、湖水を水道用水として浄水場へ、または農業用水として田畑へ導く管(「導水管」といいます)を埋設している敷地の一部として利用されています。
かつて留萠鉄道と炭鉱に付属する貨物専用線では、石炭を運ぶたくさんの貨車やここに住む人々が乗る客車が走っていました。
そのうちの1台の機関車が、ほろしん温泉近くの「沼田町炭鉱資料館」に保存されています。
このクラウス15号は、現存する小型SLの中では日本最古のものと言われています。

クラウス15号蒸気機関車

-沼田町指定有形文化財・昭和45年4月10日指定-

このクラウス15号蒸気機関車は、1889年(明治22年)にドイツ・ミュンヘン市のクラウス機関車製造所で製造されて、九州鉄道株式会社に輸入されたもので、当時活躍した花形機関車です。その後明治40年日本国有鉄道に引き継がれましたが、鉄道の発展とともに機関車も大型化したため、大正14年東京横浜電鉄の建設用に使用されたのち、私鉄留萌鉄道株式会社(沼田町)が譲り受け、同線において石炭運搬等で使用されていました。
それをさらに明治鉱業昭和鉱業所が貨物専用線の石炭貨車運搬用に使用され、昭和42年12月まで現役として活躍していましたが、その後の炭鉱閉山ととも明治鉱業所から沼田町に譲渡され、沼田町有形文化財として保存されているもので、現在日本に現存する小型蒸気機関車の中ではもっとも古いものです。

[沼田町炭鉱資料館展示パネルから抜粋]

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沼田町 炭鉱のあゆみ

明治6年(1873)米人技師ライマン、全道の地質や炭田を3年間調査、雨竜川上流に炭田のあることを確認
26年(1893)道庁や御料の技師によって雨竜炭田が調査された(明治29年頃まで続けられた)
大正6年(1917)小石源蔵氏が数年間、少数の技術員、労務者とともに浅野奥地で鉱床調査、試掘等を行う
8年(1919)昭和炭鉱の鉱区調査始まる
10年(1921)浅野地区で再び鉱床の地質調査と試錐等開始される
15年(1926)明治鉱業(株)、本格的に昭和炭鉱の調査開始
昭和3年(1928)浅野、昭和地区炭鉱調査のため技術者・労務者が入山
5年(1930)昭和炭鉱出炭開始(10月)
私鉄留萌鉄道(恵比島~昭和間)開通
6年(1931)浅野炭鉱出炭開始(4月)
11年(1936)浅野、昭和の石炭、天皇陛下来道にて出品供覧
16年(1941)浅野炭鉱ガス爆発(死亡27人、負傷11人)
20年(1945)浅野、昭和炭鉱に労働組合結成される
35年(1960)石油の需要が増え浅野、昭和炭鉱の合理化が進む
町議会は、石炭産業振興調査特別委員会を設置
36年(1961)産炭地域振興臨時措置法による、地域指定される
37年(1962)沼田町、産炭地域振興計画を樹立
古河雨竜鉱業所が雨竜炭鉱(株)として新発足
38年(1963)九州鉱山太刀別鉱業所が出炭開始
43年(1968)雨竜炭鉱閉山(11月)
44年(1969)昭和炭鉱、九鉱太刀別鉱閉山(4月)
留萌鉄道(恵比島~昭和間)営業停止
炭鉱閉山に伴う緊急沼田町振興計画を樹立
[沼田町炭鉱資料館展示パネルから抜粋]

ダムができる前の航空写真を見てみよう

沼田町浅野地区のダムができる以前 1977(昭和52)年のようすです。建物はほとんど取り壊された後ですが、建物・道路・鉄道などの跡がわかります。下段の最近の航空写真と見くらべてみましょう。

地図を開けないときはこちらを開いてみてください。
 >>地理院地図(電子国土Web) (国土地理院のサービス 新規ウィンドウが開きます)
[撮影年月日]1977/09/17(昭和52) [撮影高度]2075m [撮影実施機関]国土地理院

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